2011年5月3日火曜日

風評被害と情報

最近、風評被害という言葉をよく聞く。
デマゴーグが語源の「デマ」、つまり煽動的な嘘による被害である。
震災直後は、あらゆる風評が出た。
例えば、火災のあった千葉県付近では、毒性の雨が降るという風評が出回った。
例えば、被災地付近の県の野菜の安全性が疑問視され、売れなくなるという話も聞いた。
知事自ら出向いて安全性をアピールしている場面も見た。
農家の人を思うと、胸が痛む話である。

一昔前は、原爆病もエイズも近づくだけで伝染するという風評が出回ったらしい。
おかげで、いわれなきひどい差別を受けた人も多くいたようだ。
歴史を教える際には、小学生相手であっても、こういうことをきちんと教えたい。

ところで、風評とは何だろうか。
手元の「岩波国語辞典」には、「世間の評判・とりざた」とある。
つまり、風評被害とは、世間の評判による被害である。
それが真実かどうかは、問題ではない。ただの評判である。
そして風評被害とは、一見善意を装っているのが特徴である。

毎度他人の言葉で申し訳ないが、次の言葉も野口氏から学んだことである。
「情報」の「報」は報せ、「情」は、感情である。
つまり、情報とは、感情でコントロールされた報せである。
人から人へと伝わるにつれて、どんどん感情的な情報に変化する。
だから、情報の正誤判断は、自分自身に委ねられている。
全ての情報が正しいとは限らない。
そういうことを、子どもに教えるのも、大切なことだと思う。

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